徳田秋聲作「媾曳」   音声データ こちら
 
  収録時間 25分19秒 11.5MB
  明治45年5月「新潮」   朗読 笠間芙美子
      更新 2011.5.28
  【解説】
 本作は明治45年5月の「新潮」に発表された。題名は「あいびき」と読む。主人公は川添という四十才ほどの男で、陸軍少将の弟を持ち、本人も語学学校へ通ったことがあるようだからそれなりの家の生まれなのだろうが、現在は仕事らしい仕事もせずぶらぶらとしている。唯一の営みがお栄婆さんという年上の未亡人の元に入り浸り、そこから金品を得ることであり、やがて別の若い女の元にも通い始める。この空虚な「あいびき」を重ねる男の姿から現れてくる、日露戦後の頽廢した空気を描き出した作品である。
   
 
東海大学文学部 大木志門
 
 
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